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文献詳細

雑誌文献

臨床検査54巻12号

2010年11月発行

文献概要

今月の主題 脳卒中 各論

そのほかの脳血管障害

著者: 宮下光太郎1 成冨博章2

所属機関: 1国立循環器病研究センター脳神経内科 2千里中央病院

ページ範囲:P.1537 - P.1545

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 昨年新たに上梓された「脳卒中治療ガイドライン2009」の中で,初めて取り上げられた“その他の脳血管障害”に含まれる疾患の病態に基づく検査と診断について概説した.その多くは,頭部CT,MRIや神経超音波検査の進歩により,診断精度が向上し疾患概念そのものが明確になったものが多い.そのような観点から主な疾患については診断基準と代表的な画像所見を提示して診断に至る経緯を簡潔に述べた.ここで取り上げた疾患は一般の脳卒中と異なり症例数が比較的少ないため,エビデンスに基づく治療指針を提示することは困難であり,実地臨床における治療に際しては適切な検査に基づく個々の疾患の病態を把握することが特に重要と考えられる.

参考文献

1) 成冨博章,高木誠,江面正幸,他:その他の脳血管障害.脳卒中治療ガイドライン2009(篠原幸人,他編)協和企画,pp241-270,2009
2) 塚原徹:脳動脈解離の現状,脳動脈解離の病態,症状,診断,治療のアウトライン.脳動脈解離診断の手引き〔松岡秀樹他(循環器病研究委託費18公-5研究班)編〕.国立循環器病センター,pp1-7,2009
3) Kuriyama S, Kusaka Y, Fujimura M, et al:Prevalence and clinicoepidemiological features of moyamoya disease in Japan:findings from a nationwide epidemiological survey. Stroke 39:42-47,2008
4) 矢坂正弘,峰松一夫:左右シャント疾患.左右シャント疾患と奇異性脳塞栓症.若年者脳卒中診療の手引き〔矢坂正弘他(循環器病研究委託費12指-2研究班)編〕,国立循環器病センター,pp41-43,2003
5) Stam J:Trombosis of the cerebral veins and sinuses. N Engl J Med 352:1791-1798,2005
6) 石田千穂,山田正仁:脳アミロイド・アンギオパチー,必携 脳卒中ハンドブック(田中耕太郎他 編),診断と治療社,pp128-131,2008
7) 加藤瑞夫:線維筋性形成異常症.別冊日本臨床 領域別症候群26 神経症候群I,日本臨床社,pp303-307,1999
8) 佐藤洋:“マカロニサイン”(高安動脈炎で見られる頸動脈超音波所見).Vascular Lab 5:293-296,2008
9) 松山晃文:大動脈炎症候群の臨床症状と臨床検査.医のあゆみ 233:274-278,2010
10) 宮下光太郎,成冨博章:高血圧性脳症.循環器疾患の治療指針 第2版(国立循環器病センター 編),丸善,pp238-240,1997
11) Roman GC, Tatemichi TK, Erkinjuntti T, et al:Vascular dementia:diagnostic criteria for research studies. Report of the NINDS-AIREN International Workshop. Neurology 43:250-260,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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