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今月の主題 脳卒中 話題
脳卒中の地域連携クリニカルパス
著者: 前島伸一郎1 大沢愛子1 棚橋紀夫2
所属機関: 1埼玉医科大学国際医療センターリハビリテーション科 2埼玉医科大学国際医療センター神経内科・脳卒中内科
ページ範囲:P.1566 - P.1569
文献購入ページに移動本邦の脳卒中医療は,救急医療体制の整備に加え,血栓溶解療法や脳血管内治療などの治療法の進歩,Stroke Unitにおけるチーム医療,脳卒中治療ガイドラインの普及など,大きな変革が遂げられている1).また,今世紀初めより,本邦の医療制度は大きく変化した.すなわち,“医療機関の機能分化”の推進によって,DPC(diagnosis procedure combination:診断群分類別包括評価)が導入され,平均在院日数や紹介率などを指標とした急性期入院医療と慢性期入院医療の区別が明確化され,脳卒中後の在宅生活を支援する目的で介護保険制度や回復期リハビリテーション(リハ)病棟が導入された.さらに,第5次医療法改正において,医療計画の基本的枠組みが医療法に規定され,医療機能の分化・連携と,切れ目のない医療,早期に在宅生活へ復帰できるような施策が打ち出された2,3).
このような社会的背景の中,急性期病院から回復期リハ病院を経由して,在宅へ至る大まかな道筋を示すものとして着目されているのが“地域連携クリニカルパス(地域連携パス)”である.病院は,経営戦略上,新規紹介,診療・検査予約などの前方連携と逆紹介,退院調整や退院時指導などの後方連携を行わなければならず,院内連携(院内パス)のみならず,地域の中でほかの医療従事者と連携をとる必要に迫られている.
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