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文献詳細

雑誌文献

臨床検査54巻12号

2010年11月発行

文献概要

今月の主題 脳卒中 話題

久山町研究による未来予測システム

著者: 土井康文1 清原裕2

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 2九州大学大学院医学研究院病態機能内科学・環境医学分野

ページ範囲:P.1570 - P.1573

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1 . はじめに

 従来,医療従事者は,対象者の診察所見や検査値から疾病の発症や予後を予測し,生活習慣の指導を行ってきた.しかしこれまでの方法では,疾病に対する医療従事者の知識や経験の違いにより,将来の疾病発症のリスクに対する見込みが異なるなどの問題がある.このあいまいさを排除し,客観的なエビデンスに基づいて疾病の発症予測を行うために,リスクスコアの手法が生み出されている.リスクスコアとは,追跡調査の成績を元に,個々の患者や健診受診者の問診や検査データを用いて,疾病が将来発症する確率を統計学的に数値化して求めた客観的な指標である.

 本稿では,福岡県久山町の疫学成績を元に検討された心血管病と糖尿病の発症を予測するリスクスコアと,これを搭載したソフトウエア「健康みらい予報」を紹介する.

参考文献

1) Arima H, Yonemoto K, Doi Y, et al:Development and validation of a cardiovascular risk prediction model for Japanese:the Hisayama study. Hypertens Res 32:1119-1122,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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