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文献詳細

雑誌文献

臨床検査54巻13号

2010年12月発行

文献概要

シリーズ-検査値異常と薬剤・10

―投与薬剤の検査値への影響―中枢神経系作用薬・Ⅳ

著者: 片山善章1 澁谷雪子2 米田孝司3

所属機関: 1神戸常盤大学保健科学部医療検査学科 2神戸常盤大学短期大学部衛生技術学科 3オリエンタル酵母工業株式会社長浜事業所

ページ範囲:P.1705 - P.1712

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中枢性筋弛緩薬

 1 . メトカルバモール

 白色結晶性粉末でわずかに特異な臭いと苦味を有する.メタノールに易溶であるが水には溶けない.骨格筋弛緩作用と弱い鎮静作用をもつ中枢神経抑制薬である.構造式は図1に示した.プロパンジオールの誘導体(図2)の鎮咳去淡薬であるグアイフェネシン(図3)のカルバミン酸(カルバメート,図4)であり,体内では反応式(図5)に示したように加水分解されてグアイフェネシンとカルバミン酸になる.カルバミン酸自体は通常の状況下では不安定であり,アンモニアと二酸化炭素に分解してしまう.

 臨床検査への影響と副作用は表1に示した.反応式に示したようにグアイフェネシンの臨床検査への影響も同じである.

参考文献

1) D'Honneur G, Gilton A, Sandouk P, et al:Plasma and cerebrospinal fluid concentrations of morphine and morphine glucuronides after oral morphine. The influence of renal failure. Anesthesiology 81(1):87-93,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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