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今月の主題 排尿障害 巻頭言
排尿のサイエンスとアート
著者: 榊原隆次1
所属機関: 1東邦大学佐倉病院内科学神経内科
ページ範囲:P.716 - P.716
文献購入ページに移動排尿障害をきたす代表的な疾患として,男性の前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia;BPH),女性の骨盤底筋障害(pelvic floor dysfunction),男性・女性の神経因性膀胱(neurogenic bladder dysfunction;NB),の主に3つが挙げられる.BPHの症状としては,排尿困難が典型的にみられる.骨盤底筋障害の症状としては,腹圧性尿失禁が典型的にみられ,骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse;POP)との密接なかかわりがある.NBは,日常診断上において頻度が非常に高い症候であり,その障害部位に応じて,脳病変ではOABがみられ,末梢神経病変では排尿困難がみられ,脊髄病変ではOABと排尿困難を同時にきたすことが多い.このうち,OABの機序として,さらに膀胱上皮,間質細胞,上皮下神経,平滑筋の分子機序が近年明らかにされつつある.尿意と中枢神経系との関連については,機能的脳画像が,排尿障害と脳科学を橋渡しするものとして注目されている.
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