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文献詳細

雑誌文献

臨床検査55巻2号

2011年02月発行

文献概要

今月の主題 腸内細菌叢 巻頭言

腸内細菌叢とヒトとのかかわり

著者: 岩田敏1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部感染制御センター

ページ範囲:P.112 - P.113

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 腸内細菌叢を構成する菌種は100種類以上,その数は腸内容1g当たり数千億個と言われているが,通常はBifidobacteriumやBacteroidesなどの偏性嫌気性菌群の数がEnterobacteriaceaeやEnterococcusなどの通性嫌気性菌/好気性菌群の100~1,000倍程度でバランスを保っている.小児期の腸内細菌叢は年齢によって異なるが,特に新生児期から乳児期にかけては成人の細菌叢とはかなり異なっている.とりわけ新生児期は細菌叢が形成される時期であることから,菌叢は多彩かつ不安定である.出生直後にはEnterobacteriaceae,Streptococcus(Enterococcusを含む),Staphylococcusが優勢菌種として出現するが,その後嫌気性菌群であるBifidobacterium,Bacteroidesが増加して最優勢菌群となる.Enterobacteriaceaeは年齢とともに減少する傾向があり,Lactobacillus,Clostridiumは逆に年齢とともに増加する傾向が認められる.

 腸内細菌叢は,良しにつけ悪しきにつけ,様々な場面でヒトとかかわっているが,どちらかといえばヒトの役に立っていることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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