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文献概要
今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 非腫瘍・2
心弁膜症
著者: 小松明男1 坂本穆彦2
所属機関: 1東京都保健医療公社多摩南部地域病院検査科 2杏林大学医学部付属病院病理部
ページ範囲:P.110 - P.111
文献購入ページに移動後天性の弁膜症は,リウマチ熱に関連した疾患と非リウマチ性とに大別できる.リウマチ熱に関連した疾患では,左心系すなわち僧帽弁あるいは大動脈弁の狭窄・閉鎖と閉鎖不全が主である.リウマチ熱に関連した僧帽弁狭窄は以前に比し,経済状態の向上および治療の進歩により現在では減少した.特徴的肉眼所見である弁の融合と石灰化すなわち魚の口(fish mouth)に例えられる変形した僧帽弁が特徴であり,診断根拠となる.組織像としては上記の肉眼所見に加え,アショッフ結節が認められれば確定診断となる.病理組織検体としてみることはあまりない.先進国においては,非リウマチ性心疾患の頻度がリウマチ性よりも高くなった.大動脈弁狭窄・閉鎖不全,膠原病による心内膜炎,粘液腫様変化による僧帽弁逸脱症,細菌性心内膜炎,非細菌性血栓性心内膜炎,僧帽弁輪石灰化などが代表的疾患である.本稿では現在増加の著しい大動脈弁狭窄を採り上げる.
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