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映画に学ぶ疾患・12
「シャイン」にみる自閉症(アスペルガー症候群)
著者: 安東由喜雄1
所属機関: 1熊本大学大学院生命科学研究部病態情報解析学分野
ページ範囲:P.166 - P.166
文献購入ページに移動 単一の遺伝子異常で起こる遺伝性疾患の病態は,遺伝子解析技術の進歩に伴い,かなり解明されてきているが,いくつかの遺伝子変異や遺伝子の修飾によって起こると考えられる多因子遺伝による疾患はまだまだその病因がわからないものばかりである.喘息,高血圧,うつ病,自閉症,アスペルガー症候群,統合失調症などの精神疾患がこれにあたる.こうした疾患の場合,病態の発現に環境因子が加わるため,その病因・病態解析は困難を極めるかに見える.しかし近年,マイクロアレイやホール・ゲノムシークエンス,プロテオミクスの手法を用いた解析が進み,原因不明の疾患の原因遺伝子,原因蛋白質を同定しようとする試みが盛んに行われている.特にうつ病,統合失調症などの疾患は患者数が多いため,もし疾患の発症を左右する原因遺伝子が発見されれば,莫大な富,研究費を生む可能性があるため,基礎体力のある大手の製薬会社,検査会社では,特にこうした疾患の研究に力を注ぐようになってきている.
ここ数年,アスペルガー症候群という疾患がマスコミに頻繁に登場するようになった.アスペルガー症候群を含めた自閉症の発症は,親の教育や心理社会的要因も重要であるが,遺伝学的な要因が深く関与していることは否定できない.岡田尊司氏の『アスペルガー症候群』によると,アインシュタイン,エジソン,ダーウィン,ディズニー,ヒッチコック,ゴッホ,ユトリロ,ショパン,ベートーベン,それにビル・ゲイツに至るまで,彼らの行動を見る限り,いずれもアスペルガー症候群に分類されるというから,必ずしも「病気」という分類は正しくないのかもしれない.
ここ数年,アスペルガー症候群という疾患がマスコミに頻繁に登場するようになった.アスペルガー症候群を含めた自閉症の発症は,親の教育や心理社会的要因も重要であるが,遺伝学的な要因が深く関与していることは否定できない.岡田尊司氏の『アスペルガー症候群』によると,アインシュタイン,エジソン,ダーウィン,ディズニー,ヒッチコック,ゴッホ,ユトリロ,ショパン,ベートーベン,それにビル・ゲイツに至るまで,彼らの行動を見る限り,いずれもアスペルガー症候群に分類されるというから,必ずしも「病気」という分類は正しくないのかもしれない.
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