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今月の主題 更年期医療 各論
更年期における骨量減少症・骨粗鬆症の検査
著者: 岩元一朗1 堂地勉1
所属機関: 1鹿児島大学産婦人科
ページ範囲:P.247 - P.254
文献購入ページに移動原発性骨粗鬆症の検査には,診断のための検査として脊椎のレントゲンと骨密度測定があり,また,続発性骨粗鬆症の鑑別診断としての検査や,骨代謝を評価するための骨代謝マーカーの測定などがある.骨密度測定は原則として腰椎骨密度で評価するが,骨折などで評価できない場合は大腿骨頸部やそのほかの末梢骨でもよい.鑑別診断には詳細な問診や身体所見のほか,血清カルシウムやリン,ALP(alkaline phosphatase)などの測定が役に立つ.骨吸収が亢進しているときには,ビスホスホネートなどの骨吸収抑制剤のよい適応となる.またその後の治療効果判定や薬剤変更などにも骨代謝マーカーが参考になる.閉経後は骨代謝が亢進するが,骨吸収優位のため骨密度は減少していく.
参考文献
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2) 骨粗鬆症治療の予防と治療のガイドライン作成委員会(編):骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2006年度版,2006
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