文献詳細
文献概要
今月の主題 更年期医療 話題
閉経後女性のための「ホルモン補充療法ガイドライン」
著者: 牧田和也12
所属機関: 1牧田産婦人科医院 2慶應義塾大学産婦人科
ページ範囲:P.289 - P.292
文献購入ページに移動1 . はじめに
ホルモン補充療法(hormone replacement therapy;HRT)は,更年期に認められる加齢に伴う卵巣機能の低下や婦人科疾患の治療としての(両側)卵巣摘出に起因するエストロゲン欠乏によって引き起こされる,諸症状・疾患の予防ないし治療を目的として施行される治療法である.欧米ではすでに1960年代より普及していたが,本邦においても1990年代初頭より本格的に導入され,今日に至っている.
しかしながら,2002年に米国NIH(National Institute of Health)が企画したWHI(Women's Health Initiative)Randomized Control Trialに対する中間報告1)が公表されて以降,HRTに対する副作用やリスクにばかり関心が集まり,その普及率はもともと欧米と比較して低い状況にあったが,それに追い討ちを掛けて低迷したままである.このような状況を打開すべく,2009年に日本産科婦人科学会・日本更年期医学会(編集/監修)による「ホルモン補充療法ガイドライン2009年度版」2)が刊行されるに至った.
そこで本稿では,本ガイドラインの作成にかかわった1人として,その刊行までの経緯とその概要について解説してみたい.
ホルモン補充療法(hormone replacement therapy;HRT)は,更年期に認められる加齢に伴う卵巣機能の低下や婦人科疾患の治療としての(両側)卵巣摘出に起因するエストロゲン欠乏によって引き起こされる,諸症状・疾患の予防ないし治療を目的として施行される治療法である.欧米ではすでに1960年代より普及していたが,本邦においても1990年代初頭より本格的に導入され,今日に至っている.
しかしながら,2002年に米国NIH(National Institute of Health)が企画したWHI(Women's Health Initiative)Randomized Control Trialに対する中間報告1)が公表されて以降,HRTに対する副作用やリスクにばかり関心が集まり,その普及率はもともと欧米と比較して低い状況にあったが,それに追い討ちを掛けて低迷したままである.このような状況を打開すべく,2009年に日本産科婦人科学会・日本更年期医学会(編集/監修)による「ホルモン補充療法ガイドライン2009年度版」2)が刊行されるに至った.
そこで本稿では,本ガイドラインの作成にかかわった1人として,その刊行までの経緯とその概要について解説してみたい.
参考文献
1) Rossouw JE, Anderson GL, Prentice RL:Risks and benefits of estrogen plus progestin in healthy postmenopausal women:principal results From the Women's Health Initiative randomized controlled trial. JAMA 288:321-333,2002
2) ホルモン補充療法ガイドライン2009年度版(日本産科婦人科学会/日本更年期医学会編),日本産科婦人科学会事務局,2009
3) 平成19-20年度生殖内分泌委員会報告:本邦におけるホルモン補充療法ガイドライン(案).日産婦誌 61:35-97,2009
掲載誌情報