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今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 非腫瘍・3
心筋炎のマクロ・ミクロ像
著者: 小松明男1 坂本穆彦2
所属機関: 1東京都保健医療公社多摩南部地域病院 2杏林大学医学部付属病院病理部
ページ範囲:P.216 - P.218
文献購入ページに移動この問題について広く受け入れられている見解は,以下のとおりである.剖検例の1~9%にみられ,原則として無症状である1).すなわち,大部分は自然治癒する可能性の高い疾患である.しかし,臨床症状を呈するものが少数あり,確定診断がついた場合に後遺症を残さないものは約40%2),また5年生存率は50~60%である3).さらに,臨床症状を呈するか否かにかかわらず,心筋炎から拡張型心筋症へと移行していくのではないかと推定されている4).また,40歳未満の突然死の20%は心筋炎とも考えられている1).心筋炎の原因としては,大部分はコクサッキーBに代表されるウイルスと推定されているが,血中からは,おそらく4日前後で消え,抗体価の上昇までは約2週間が見込まれ,心筋生検からのウイルスのゲノムの検出は約20%である1).
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