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文献詳細

雑誌文献

臨床検査55巻5号

2011年05月発行

文献概要

シリーズ-検査値異常と薬剤・15

―投与薬剤の臨床検査値への影響―循環器系作用薬・Ⅱ

著者: 吉年正宏1 森山健三1

所属機関: 1近畿大学医学部附属病院薬剤部

ページ範囲:P.513 - P.520

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利尿薬

 腎尿細管におけるNa,Clの再吸収を抑制することにより,Na,Clの排泄を促進し,これに伴って水の排泄が増加,すなわち体液量を減少させる.さらには交感神経刺激に対する末梢血管の感受性を低下させることにより降圧効果も発揮する.利尿薬にはサイアザイド系,ループ系,カリウム保持性,炭酸脱水素酵素阻害薬に大別される.

 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」1)では,「少量の利尿薬は副作用の頻度は少なく,他の降圧薬と併用することにより,降圧効果が相乗的に増大する」として併用を推奨している.また,心不全などに伴う浮腫やむくみなどでも使用される.いずれにせよ連用する場合,後述するように電解質失調や尿酸値異常,糖・脂質系代謝異常が現れることがあるため,定期的に検査を行う必要がある.

参考文献

1) 日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2009―JSH2009,ライフ・サイエンス出版,2010
2) Kobayashi K, Miura Y, Tomioka H, et al:Falsely high urinary catecholamines induced by labetalol. Tohoku J Exp Med 127:63-69,1979
3) 元村成,橋本敬太郎:Ca拮抗薬の分類と薬物動態.Ca拮抗薬のすべて,先端医学社,pp30-54,1999
channel in rat dorsal root ganglion neurons. J Pharmacol Exp Ther 280:1184-1191,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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