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シリーズ-検査値異常と薬剤・21
―投与薬剤の臨床検査値への影響―消化器系作用薬Ⅰ
著者: 富田江津子1 森嶋祥之2 森田哲也1
所属機関: 1近畿大学医学部堺病院薬剤部 2近畿大学医学部附属病院中央臨床検査部
ページ範囲:P.91 - P.95
文献購入ページに移動1) H2受容体拮抗薬
胃の壁細胞のH2受容体でヒスタミンと拮抗して胃酸分泌を強力に抑制する.
(1) シメチジン
H2受容体で選択的遮断作用を示し,胃酸分泌を強力に抑制する.主に腎排泄されるため,腎機能障害者と高齢者への投与は慎重にしなければならない.薬物代謝酵素のチトクロムP-450(CYP1A2,2C9,2C19,2D6,3A4)を抑制するため,他の薬物との相互作用に注意が必要である.例えばシメチジンは高脂血症治療薬のシンバスタチンや抗真菌治療薬のイトラコナゾールのCYP3A4を拮抗阻害し,シンバスタチンやイトラコナゾールの血中濃度を上昇させる1).
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