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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻1号

2012年01月発行

文献概要

シリーズ-検査値異常と薬剤・21

―投与薬剤の臨床検査値への影響―消化器系作用薬Ⅰ

著者: 富田江津子1 森嶋祥之2 森田哲也1

所属機関: 1近畿大学医学部堺病院薬剤部 2近畿大学医学部附属病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.91 - P.95

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1.制酸剤

1) H2受容体拮抗薬

 胃の壁細胞のH2受容体でヒスタミンと拮抗して胃酸分泌を強力に抑制する.

(1) シメチジン

 H2受容体で選択的遮断作用を示し,胃酸分泌を強力に抑制する.主に腎排泄されるため,腎機能障害者と高齢者への投与は慎重にしなければならない.薬物代謝酵素のチトクロムP-450(CYP1A2,2C9,2C19,2D6,3A4)を抑制するため,他の薬物との相互作用に注意が必要である.例えばシメチジンは高脂血症治療薬のシンバスタチンや抗真菌治療薬のイトラコナゾールのCYP3A4を拮抗阻害し,シンバスタチンやイトラコナゾールの血中濃度を上昇させる1)

参考文献

1) 大野能之,樋坂章博,鈴木洋史:CYPの阻害による相互作用の予測.月刊薬事 51:553-559,2009
2) 赤池昭紀,岡本博,亀井千晃,他:疾患別薬理学,4版,廣川書店,2001
3) 高久史麿,矢崎義雄(監):治療薬マニュアル2011,医学書院,2011
4) Mégraud F : H pylori antibiotic resistance : preralence, importance, and advances in testing. Gut 53:1374-1384,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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