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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻10号

2012年10月発行

文献概要

あいまにカプチーノ

Coffee Paradox

著者: 宮島栄治123

所属機関: 1横浜市立大学医学部臨床検査医学 2横浜市立大学附属市民総合医療センター臨床検査部 3横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター

ページ範囲:P.1114 - P.1114

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 「苦い!」高原の透明な空気に似合わない大きな声を発した微かな記憶が蘇る.私とコーヒーの出会いは半世紀以上前に遡る.「大人には良いが,子どもの体には悪い」との父の説明が,一休さんと和尚との“水あめ問答”に聞こえたかどうか定かではないが,「大人だけずるい」とダダをこね,味わったのは良いが,あまりの苦さのためか,早すぎた出会いのためか,再会までに10有余年を要した.再会した後は,コーヒー豆の種類,焙煎程度,引き方,入れ方,そして飲むカップの形状までこだわりのある時期を経て,ごく普通のコーヒー愛飲者に至るのは諸兄と同じである.

 コーヒーのカフェインは,「心臓に,血圧に良いのか,悪いのか」,循環器専門医,高血圧指導医としては,しばしば受ける質問であり,患者さんご本人にとっては,切実な問題に違いない.コーヒーで血圧が上がる,胸がドキドキすると訴える患者さんは少なくない.実際,私も濃い目のコーヒーを多飲すると動悸がすることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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