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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻11号

2012年10月発行

文献概要

特集 教科書には載っていない臨床検査Q&A 化学

Question 28 血清アルブミン測定BCG法と改良BCP法の長所・短所と,臨床検査法としての今後の見通しを教えてください

著者: 村本良三1

所属機関: 1心臓血管研究所付属病院臨床検査部

ページ範囲:P.1214 - P.1215

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ポイント

・改良BCP法は,従来のBCP法の問題点であった酸化型アルブミンと還元型アルブミンとの反応差を解消した測定法である.

・BCG法はアルブミンのみならずグロブリン分画とも反応するが,アルブミン結合物質による影響を受けづらい性質がある.一方,改良BCP法はグロブリン分画とほとんど反応しないが,アルブミン結合物質の影響を受けやすい性質がある.

・BCG法は1試薬系であり,改良BCP法は2試薬系である.改良BCP法は共存物質の色調による影響が回避可能な試薬構成となっており,乳糜や溶血の影響などを含め,現在最も正確度の高い日常検査法とされている.

参考文献

1) 村本良三,松下誠,入野勤:正確度を改善したブロムクレゾールパープル法による血清アルブミン定量法の開発.臨床化学 26:38-43,1997
2) Ono M, Aoki Y, Masumoto M, et al : High-dose penicillin G-treatment causes underestimation of serum albumin measured by a modified BCP method. Clin Chim Acta 407:75-76,2009
3) 村本良三:ヘパリン採血におけるアルブミン測定でフィブリノゲン値分だけ高値に出る理由は.検査と技術 34:156-158,2006
4) 刈米和子,藤田淑香,汐谷陽子:C反応性蛋白の血清アルブミン測定への関与と栄養状態識別値への影響.生物試料分析 33:383-390,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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