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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻11号

2012年10月発行

特集 教科書には載っていない臨床検査Q&A

病理・細胞診

Question 51 液状処理法と従来法では細胞所見にどのような違いがあるのですか?

著者: 古田則行1

所属機関: 1がん研究会有明病院細胞診断部

ページ範囲:P.1269 - P.1271

文献概要

ポイント

・子宮頸部細胞診の液状処理法では,細胞の重積が少なく,薄く均等な細胞密度で,限局した範囲に塗抹された標本ができる.従来法では細胞が重積した場合や,炎症細胞,血液,粘液などに細胞が隠ぺいされ観察が困難となる場合があるが,液状処理法ではそれを防止できる.

・液状処理法では,細胞判定の妨げとなる乾燥が防止できる.

・液状処理法には,フィルター法,密度勾配法,重力接着法があり,それぞれ細胞所見が異なり,方法による細胞のみかた,判定法が必要となる.

参考文献

1) 坂本穆彦,今野良,小松京子,他:子宮頸部細胞診ベセスダシステムの運用の実際(坂本穆彦編),医学書院,2010
2) 赤松節,姫路由香里,生田直美,他:子宮頸がん検診標本の適否状況と発見病変―Liquid based cytology法とconventional法の比較.日臨細胞会誌 47:420-424,2008
3) 平井康夫,古田則行,荒井祐司,他:子宮頸部病変検出における液状化検体細胞診(LBC)ThinPrepの制度と有用性評価のための前方向視的検討.日臨細胞会誌 49:237-241,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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