臨床検査56巻6号

2012年06月発行

今月の主題 めまいの生理検査 総論

一般診療所でのめまい検査

著者： 中村正¹

所属機関： ¹なかむら耳鼻咽喉科クリニック

ページ範囲：P.595 - P.601

一般診療所はめまい患者の初期診療を担う医療機関として極めて重要な位置を占めているが，病因が多様なめまい疾患を診療所で的確に診断することは容易ではない．しかし，生理検査を適切に選択して効率的に検査を進めれば診療所でもめまいの初期診療は十分に可能である．重要なことは，最も頻度の高い良性発作性頭位めまい症を確実に診断するために頭位変換眼振検査をルーチンに行うことであり，その際に使用する検査機器として赤外線CCDカメラによる眼振記録装置は，診療所では最低限の必需品である．

参考文献

1) 小林謙，五十嵐岳史：耳鼻咽喉科診療所におけるめまい診療の実態．Equilibrium Res　67：108-114，2008

2) 肥塚泉，内藤泰，中村正，他：めまい治療に関するアンケート集計結果．Equilibrium Res　62：342-350，2003

3) 中村正：診療所におけるめまいの診かた．日耳鼻　115：14-21，2012

4) 武井康彦：めまい診断のポイント．耳鼻臨床　104：606-607，2011

5) 中山明峰，蒲谷嘉代子：注視眼振検査，頭位眼振検査，頭位変換眼振検査．JOHNS　27：756-760，2011

6) 日本めまい平衡医学会診断基準化委員会：良性発作性頭位めまい症診療ガイドライン．Equilibrium Res　68：218-225，2009

7) 千原康裕：Head Impulse Test．臨検　52：1479-1482，2008

8) Harvey SA, Wood DJ, Feroah TR : Relationship of the head impulse test and head-shake nystagmus in reference to caloric testing. Am J Otol　18：207-213，1997

9) Beynon GJ, Jani P, Baguley DM : A clinical evaluation of head impulse testing. Clin Otolaryngol Allied Aci　23：117-122，1998

10) 五島史行：体平衡機能検査，重心動揺検査．JOHNS　27：751-756，2011