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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻6号

2012年06月発行

文献概要

研究

高麗紅参バチラス(Red Ginseng Bacillus)の水系およびアルコール抽出成分によるウシ副腎クロマフィン細胞内遊離カルシウムへの影響

著者: 庄野正行1 金泰潤2 小中健3 宮谷綾3 川添和義3 水口和生3

所属機関: 1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部総合研究支援センター先端医療研究部門 2Bio Bean株式会社 3徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部臨床薬剤学分野

ページ範囲:P.690 - P.692

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 ウシ副腎クロマフィン細胞において,アセチルコリン(Ach)刺激によるカテコールアミン分泌には,細胞内遊離カルシウム濃度の上昇が必須である.今回,高麗紅参バチラス(RGB)とニンジン(日本薬局方ニンジン)由来のアルコール抽出物および水系抽出物を副腎クロマフィン細胞に添加し,Ach存在下,非存在下における細胞内カルシウム濃度の変化を観察した.その結果,Ach非存在下において,RGBおよびニンジンのアルコール抽出物は,その単独投与で細胞内カルシウム濃度を一過性に上昇させた.一方,RGBおよびニンジンの抽出物(アルコール抽出物あるいは水系抽出物)の添加はいずれも,Ach刺激による細胞内カルシウム濃度の上昇を消失させた.以上の結果より,RGBおよびニンジンの抽出物は,ウシ副腎クロマフィン細胞において,Ach依存性カテコールアミン分泌を抑制する可能性が示唆された.

参考文献

1) 立川英一,工藤賢三,樫本威志,他:薬用人蓼サポニンの受容体刺激一応答に対する効果.日薬理誌 110(補冊1):126-131,1997
2) Tachikawa E, Kudo K, Nunokawa M, et al : Characterization of Ginseng saponin ginsenoside-Rg3 inhibition of catecholamine secretion in bovine adrenal chromaffin cells. Biochem Pharmacol 62:943-951,2001
3) Shono M, Houchi H, Oka M, et al : Effects of nitroprusside and nicorandil on catecholamine secretion and calcium mobilization in cultured bovine adrenal chromaffin cells. J Cardiovasc Pharmacol 30:419-423,1997
4) 金泰潤:免疫強化―紅蔘桿菌属,チョウンタン社,2010
5) Oka M, Isosaki M, Yanagihara N : Isolated bovine adrenal medullary cells : studies on regulation of catecholamine synthesis and release. Catecholamines : basic and clinical frontiers (Usdin E, Kopin IJ, Brachas J, eds), Pergamon Press, Oxford,pp70-72,1979

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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