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今月の主題 間質性肺炎と臨床検査 巻頭言
間質性肺炎という疾患群とその診断
著者: 徳田均1
所属機関: 1社会保険中央総合病院内科・呼吸器内科
ページ範囲:P.935 - P.936
文献購入ページに移動 間質性肺炎とは,肺の間質(主に肺胞隔壁)に病変の主座をおく炎症性疾患の総称である.細菌,ウイルスなどの微生物により惹起され,肺胞腔(肺の実質)をその主座とする通常の肺炎に対置される概念である.多くは内因性,もしくは外来性因子に対する宿主の異常な免疫反応によって生じると考えられているが,その原因,病態などは未解明の部分が多い.
間質性肺炎は,原因を特定し得ない特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia;IIPs)と呼ばれる一群の疾患と,膠原病性,薬剤性,過敏性など原因を措定しうる二次性間質性肺炎とに大別される.しかし両者の区別はそれほど確定したものではなく,特発性と思われていた例が後に膠原病を発症し,二次性と判明することは以前からよく知られていたし,また特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF)とされてきた中に慢性過敏性肺炎が含まれていることがわかり,分離されるようになったことも最近の進歩である.したがって,IIPsと診断される疾患の範囲は,今後検査技術のさらなる進歩により,次第に狭まってくることも予想される.
間質性肺炎は,原因を特定し得ない特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia;IIPs)と呼ばれる一群の疾患と,膠原病性,薬剤性,過敏性など原因を措定しうる二次性間質性肺炎とに大別される.しかし両者の区別はそれほど確定したものではなく,特発性と思われていた例が後に膠原病を発症し,二次性と判明することは以前からよく知られていたし,また特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF)とされてきた中に慢性過敏性肺炎が含まれていることがわかり,分離されるようになったことも最近の進歩である.したがって,IIPsと診断される疾患の範囲は,今後検査技術のさらなる進歩により,次第に狭まってくることも予想される.
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