文献詳細
文献概要
今月の主題 間質性肺炎と臨床検査 各論
外科的肺生検
著者: 友安浩1 山中澄隆1
所属機関: 1大森赤十字病院呼吸器外科
ページ範囲:P.968 - P.971
文献購入ページに移動外科的肺生検には開胸術によるものとビデオ補助下胸腔鏡によるものと2つの方法がある.現在では後者による方法が多く,強固な癒着のある症例で稀に前者が行われる.生検前にHRCTにて生検部位を決定し,病変の明らかな部位とまだ病変のはっきりしない部位の少なくとも2か所を部分切除する.検体を処理する際にはステイプルを切り取りホルマリンを注入し,1日固定したのちパラフィン切片とする.この後,HE染色などを行い鏡検し,各種の間質性肺炎と診断する.気管支鏡下肺生検に比べて病理組織診断に必要な検体がこの方法で得られる.
参考文献
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