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文献概要
今月の主題 間質性肺炎と臨床検査 各論
間質性肺炎の呼吸機能検査
著者: 巽浩一郎1
所属機関: 1千葉大学医学部呼吸器内科
ページ範囲:P.979 - P.983
文献購入ページに移動間質性肺炎の呼吸機能的特徴というと,拘束性換気障害(肺活量の低下),動脈血酸素分圧の低下,肺拡散能の低下になる.呼吸機能検査所見のみから,間質性肺炎の病態評価はできない.間質性肺炎の診断は画像所見,病理所見で下される.しかし画像・病理所見のみでは,患者の臨床症状(労作時呼吸困難など)を含めた肺全体の機能の把握はできない.間質性肺炎患者のQOLおよび予後には,呼吸機能が大きく関与している.①%FVC,%DLcoの低値,②%FVC,%DLco,AaDO2の経時的変化,③6分間歩行距離,労作時SpO2低下の程度,④肺高血圧症の存在,⑤労作時呼吸困難の程度,など呼吸機能指標を,画像・病理所見とともに把握する必要がある.
参考文献
1) 日本呼吸器学会びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会編:特発性間質性肺炎診断と治療の手引き,改訂第2版.南江堂,2011
2) Kim DS, Collard HR, King TE Jr : Classification and natural history of the idiopathic interstitial pneumonias. Proc Am Thorac Soc 3:285-292,2006
3) Collard HR, King TE Jr, Bartelson BB, et al : Changes in clinical and physiologic variables predict survival in idiopathic pulmonary fibrosis. Am J Respir Crit Care Med 168:538-542,2003
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