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異常値をひもとく・9
血清総コレステロールの高値と高トリグリセリド血症を伴う脂質異常症の診断―LDLコレステロールの高値を紐解く
著者: 吉田博12
所属機関: 1東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座 2東京慈恵会医科大学附属柏病院中央検査部
ページ範囲:P.1031 - P.1034
文献購入ページに移動家族性Ⅲ型高脂血症はアポリポ蛋白(apolipoprotein;Apo)E2/E2遺伝子型を基盤にもち,レムナント様リポ蛋白(remnant like particles;RLP)が血中に増加する原発性高脂血症である.極めてまれであるが,ApoE欠損症からも発生する.Ⅲ型高脂血症では,高コレステロール血症と高トリグリセリド(triglyceride;TG)血症を呈し,超低比重リポ蛋白(very low-density lipoprotein;VLDL)でありながら電気泳動上では低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein;LDL)と同様にβ位に泳動されるβ-VLDLという異常なリポ蛋白の増加が特徴的である.
先述のRLPはカイロミクロンレムナントとVLDLレムナント〔(中間比重リポ蛋白(intermediate-density lipoprotein;IDL)〕からなるが,Ⅲ型高脂血症では特にIDLの増加が認められる.RLPの増加は,その動脈硬化惹起性やハイリスク例スクリーニングの有用性などにより,臨床的に評価される1).
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