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文献概要
今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
血液培養の精度管理
著者: 佐藤智明1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院 感染制御部
ページ範囲:P.1136 - P.1140
文献購入ページに移動●臨床検査において正確なデータを報告するために精度管理は必須であるが,最近では検体採取から報告までの検査一連の流れについて,精度を維持する精度保証の考え方が定着しつつある.
●微生物検査は,生化学検査や血液検査と比較し,内部精度管理が遅れているのが現状であり,血液培養検査の精度管理についても規定された方法はない.
●ガイドラインや厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)などの集計データを指標とすることで,自施設の血液培養が適正であるかどうかの推定が可能である.
●微生物検査は,生化学検査や血液検査と比較し,内部精度管理が遅れているのが現状であり,血液培養検査の精度管理についても規定された方法はない.
●ガイドラインや厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)などの集計データを指標とすることで,自施設の血液培養が適正であるかどうかの推定が可能である.
参考文献
1)小林寅歹,山本真理子,長谷川美幸,他:血液培養ボトルの自動培養装置への装填遅延が判定結果へ及ぼす影響.感染症誌 78:959-966,2004
2)Baron EJ, Weinstein MP, Dunne Jr WM, et al:Blood Cultures IV. Cumitech 1C, American Society for Microbiology, Washington, DC,2005
3)大曲貴夫,高倉俊二,松村康史,他:日本の病院における血液培養採取状況および陽性率の実態調査 パイロットスタディ.日臨微生物誌 22:13-19,2012
4)Schifman RB, Strand CL, Meier FA, et al:Blood culture contamination:a College of American Pathologists Q-Probes study involving 640 institutions and 497134 specimens from adult patients. Arch Pathol Lab Med 122:216-221,1998
5)厚生労働省:院内感染対策サーベイランス事業公開情報 2012年1月〜12月年報(http://www.nih-janis.jp/report/open_report/2012/3/1/ken_Open_Report_201200.pdf)
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