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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻10号

2014年10月発行

文献概要

今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

泌尿器疾患と尿沈渣検査—尿沈渣検査に期待すること

著者: 家田健史1 堀江重郎1

所属機関: 1順天堂大学大学院 医学研究科泌尿器外科学講座

ページ範囲:P.1156 - P.1163

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●泌尿器科腫瘍患者において,尿沈渣検査で認められる癌細胞は大きく核所見の変化,細胞質の変化の2つに分別される.N/C比の増大,核形不整,クロマチンの増量が認められ,円形・水滴状の形態を示す細胞が多くなる.

●尿路結石の成分はさまざまな塩類があり,pHによって溶解度が異なる.尿中結晶は成分によって特徴的な形態を示すことが多く,尿沈渣所見で結石成分の診断がつくことも少なくない.

●尿路感染症において,尿中に検出される白血球成分は多様であり,膀胱炎・腎盂腎炎などでは好中球,腎移植後の拒絶反応や慢性疾患ではリンパ球,間質性腎炎・尿路結石症・寄生虫症では好酸球,慢性尿路感染症・糸球体性疾患・抗癌剤治療中などでは単球の増多を認める.

参考文献

1)日本泌尿器科学会:前立腺癌診療ガイドライン2012年版,金原出版,2012
2)Hungerhuber E, Stepp H, Kriegmair M, et al:Seven years' experience with 5-aminolevulinic acid in detection of transitional cell carcinoma of the bladder. Urology 69:260-264,2007
3)Fradet Y, Grossman HB, Gomella L, et al:A comparison of hexaminolevulinate fluorescence cystoscopy and white light cystoscopy for the detection of carcinoma in situ in patients with bladder cancer: a phase Ⅲ, multicenter study. J Urol 178:68-73,2007
4)日本泌尿器科学会,日本泌尿器内視鏡学会,日本尿路結石症学会:尿路結石症診療ガイドライン2013年度版 第2版,金原出版,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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