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増刊号 微生物検査 イエローページ Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法 グラム陽性球菌
緑色レンサ球菌群
著者: 荘司路1
所属機関: 1国立がん研究センター中央病院 臨床検査部
ページ範囲:P.1260 - P.1263
文献購入ページに移動1.性状と特徴
・緑色レンサ球菌は,口腔内レンサ球菌(oral streptococci)とも呼ばれ,口腔内常在のカタラーゼ陰性・通性嫌気性グラム陽性レンサ球菌群を指す.
・それらはさらに,anginosus group,mitis group,mutans group,salivarius group,bovis groupなどに分類される(表1).
・ランスフィールドの群抗原による型別では,A,C,G,F,H群などに凝集するが,抗原を保持せず凝集しないことも多い1).
・一般的に,オプトヒンとバシトラシンには耐性である.
・血液寒天培地上でα溶血性を示す菌種が多いが,弱いβ溶血から溶血を示さない菌株まで多岐にわたる.
・anginosus groupは歯肉縁に近いプラーク,mitis groupは歯の硬組織表面のプラークから分離される.mutans groupは齲蝕の発生と強く関連する.salivarius groupは舌表面や唾液中より高頻度に分離される.
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