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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻11号

2014年10月発行

文献概要

増刊号 微生物検査 イエローページ Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法 グラム陽性桿菌

ジフテリア菌

著者: 吉田弘之1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院 感染制御部

ページ範囲:P.1290 - P.1293

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菌の基本情報

1.性状と特徴1,2)

・好気性グラム陽性桿菌である.

・大きさは1.0〜8.0×0.3〜0.8μm形状はやや多形性であり,棍棒状や亜鈴状,まっすぐなものや彎曲しているものなどが混在する(図1).

・異染小体染色により菌体の末端に異染小体染が観察される(図2).

・血液寒天培地でも発育するが,分離培養や純培養用の培地としてはLofflerの凝固血清培地が汎用されている.選択分離培地は,亜テルル酸塩を含む荒川変法培地などが用いられる.

・Corynebacterium diphtheriaeはgravis型,mitis型,intermedius型のバイオタイプに分類されているが,病原性との関連性はないといわれている3)

参考文献

1)Funke G, Bernard KA:Manual of clinical microbiology, 10th ed(Versalovic J, ed), ASM Press, Washington, DC,pp413-442,2011
2)坂崎利一(監訳):Cowan and Steel’s 医学細菌同定の手びき 第3版(Barrow GI, Feltham RK),近代出版,pp77-80,1993
3)高橋元秀,小宮貴子,岩城正昭:感染症の話.感染症発生動向調査週報 2002年第14週号(2002年4月1日〜4月7日)掲載,2002(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_14/k02_14.html)
4)厚生労働省:ジフテリア,2014年8月現在(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-02-03.html)
5)荒川宜親,高橋元秀,小宮貴子,他:IDSCジフテリア予防マニュアル,2004(http://idsc.nih.go.jp/disease/diphtheria/manual02.html)
6)国立感染症研究所感染症情報センター:本邦で始めて確認されたコリネバクテリウム・ウルセランスによるジフテリアの症例.病原微生物検出情報 23:7-61,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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