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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻11号

2014年10月発行

文献概要

増刊号 微生物検査 イエローページ Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

腸管出血性大腸菌

著者: 大西真1

所属機関: 1国立感染症研究所 細菌第一部

ページ範囲:P.1301 - P.1304

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菌の基本情報

1.性状と特徴

・通性嫌気性,無芽胞,グラム陰性桿菌である.

・生化学的性状は他の大腸菌と同様.腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli:EHEC)の多くは乳糖分解性で,リジン脱炭酸酵素陽性,運動性陽性,インドール陽性を示す.

・多様なO血清型を示すが,O157,O26,O111,O103,O121,O145,O165を示すEHECが国内で注意すべき血清群である.

・EHEC O157,O26,O111は一般的には,それぞれソルビトール,ラムノース,ソルボース非発酵(または遅発酵).

・EHEC O157は一般にβ-グルクロニダーゼ陰性.

・志賀毒素〔Vero毒素(Vero toxin:VT)とも呼ばれる〕産生.以下,本稿では志賀毒素(Shigatoxin:Stx)と呼ぶ.

参考文献

1)国立感染症研究所:腸管出血性大腸菌感染症 2014年4月現在.病原微生物検出情報 35:117-118,2014
2)八柳潤,横山英二,小西典子,他:腸管出血性大腸菌(EHEC)検査・診断マニュアル,2012(http://www.nih.go.jp/niid/images/lab-manual/EHEC.pdf)
3)小林一寛,田口真澄,勢戸和子,他:下痢患者におけるベロ毒素産生性大腸菌の血清学的診断法について.感染症誌 70:80-88,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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