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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻11号

2014年10月発行

文献概要

増刊号 微生物検査 イエローページ Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

カンピロバクター・ジェジュニ

著者: 岡崎充宏1

所属機関: 1東京工科大学 医療保健学部臨床検査学科

ページ範囲:P.1345 - P.1348

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菌の基本情報

1.性状と特徴1〜3)

・グラム陰性微好気性らせん桿菌である.

・一般的には酸素が3〜15%の微好気的条件下で発育し,好気的条件下では発育しない.

・菌体は,幅0.2〜0.9μm,長さ0.5〜5μmの細長くS状に彎曲し,一般に制止期では長く,対数増殖期では短い.古い培養ではらせん状から球状になるものがある.芽胞は形成しない.

・菌体の端に単極あるいは両極にそれぞれ1本の鞭毛をもち,活発に旋回運動(コルクスクリュー様運動)を示す.

・発育温度は31〜46℃で,25℃では発育できない.

・家禽(特にニワトリ),ヒツジおよびウシの消化管に常在する(Campylobacter coliはブタでの保有率が高い).

・人獣共通感染症の原因菌であり,ヒツジの流産やウシの腸炎の原因菌の1つである.

参考文献

1)吉田眞一,柳雄介,吉開泰信:戸田新細菌学 改訂34版,南山堂,2013
2)一山智,田中美智男:標準臨床検査学 微生物学・臨床微生物学・医動物学(矢冨裕,横田浩充監修),医学書院,2013
3)岡田淳,設楽政次,長沢光章,他:臨床検査学講座 微生物学/臨床微生物学 第3版,医歯薬出版,2010
4)青木眞:レジデントのための感染症診療マニュアル 第2版,医学書院,2008
5)藤本卓司:感染症レジデントマニュアル,医学書院,2011
6)大西真:カンピロバクター感染症の発症とメカニズム:診断と治療.感染症内科 2:385-394,2014
7)Murray PR:Manual of Clinical Microbiology, 9th ed, ASM Press, Washington, DC,2007
8)Clinical and Laboratory Standards Institute:Methods for Antimicrobial Dilution and Disk Susceptibility Testing of Infrequently Isolated or Fastidious Bacteria; Approved Guideline─Second Edition, CLSI document M45-A2, Clinical and Laboratory Standards Institute, Pennsylvania,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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