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増刊号 微生物検査 イエローページ Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌
ヘリコバクター・ピロリ
著者: 松井英則1
所属機関: 1北里大学 北里生命科学研究所
ページ範囲:P.1353 - P.1356
文献購入ページに移動1.性状と特徴
・グラム陰性の螺旋菌で運動性がある.
・37℃,5〜6%O2,10%CO2,100%湿度の微好気条件下で3〜5日培養すると1〜2mmの正円形のコロニーを生じる.臨床検体からの分離には,厳密な培養条件を必要とする.
・幅0.4〜1.0μm,長さ2.5〜5μmで2〜3回ねじれてS字状を呈し,4〜8本の単毛性の極鞭毛をもつ.
・オキシダーゼ陽性,カタラーゼ陽性,硝酸塩を還元しない.
・インドール非産生,馬尿酸分解陰性,ウレアーゼ陽性(尿素を分解).
・人の胃粘膜表層に持続感染する.ピロリ(pylori)の名前の由来は,感染部位である胃の「幽門」を意味するラテン語のpylōrusに由来する.英語で発音する場合は「ピロリ」ではなく,「パイロリ」あるいは「パイローライ」となる.
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