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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻11号

2014年10月発行

文献概要

増刊号 微生物検査 イエローページ Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法 嫌気性菌

バクテロイデス

著者: 神谷茂1

所属機関: 1杏林大学 医学部感染症学講座

ページ範囲:P.1397 - P.1400

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菌の基本情報

1.分類

・バクテロイデス属細菌はグラム陰性偏性嫌気性桿菌であり,嫌気性菌感染症の主たる原因菌となり,医学的に重要である.

・重要なバクテロイデス属菌種はBacteroides fragilisであり,5種のsubspecies(fragilis,

distasonis,ovatus,thetaiotaomicron,vulgatus)をもち,これらはB. fragilisグループと呼ばれていたが,DNAホモロジー解析の結果,現在ではそれぞれの菌種に分けられている(従来のB. distasonisは分子遺伝学的に異なるパラバクテロイデス属に分類されることとなった).

・B. fragilisは偏性嫌気性細菌に分類されているが,近年,ナノモルレベルの酸素環境下では,酸素を利用してエネルギーを獲得する能力をもつことが報告されている.バクテロイデス属細菌のうち,B. splanchnicusのみが酪酸を発酵できる.

・分子遺伝学的にバクテロイデス属と異なるクラスターを形成する従来のバクテロイデス属細菌は,新たにパラバクテロイデス属Genus Parabacteroidesに分類された.Parabacteroides属に分類される主たる菌種を表1に示す.

・P. distasonisは腸内フローラ構成菌であるとともに,嫌気性感染症の原因菌となる.検査,治療についてはバクテロイデス属に準じる.

参考文献

1)Wexler HM:Bacteroides: the good, the bad, and the nitty-gritty. Clin Microbiol Rev 20:593-621,2007
2)Wick EC, Sears CL:Bacteroides spp. and diarrhea. Curr Opin Infect Dis 23:470-474,2010
3)Sears CL:Enterotoxigenic Bacteroides fragilis: a rogue among symbiotes. Clin Microbiol Rev 22:349-369,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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