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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻11号

2014年10月発行

文献概要

増刊号 微生物検査 イエローページ Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法 抗酸菌

非結核性抗酸菌

著者: 御手洗聡1 高木明子1

所属機関: 1結核予防会結核研究所 抗酸菌部細菌科

ページ範囲:P.1405 - P.1408

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菌の基本情報

1.性状と特徴

・非結核性抗酸菌は結核菌群とらい菌を除く抗酸菌の総称である.

・環境中に存在.

・抗酸性.

・グラム陽性桿菌.

・サイズは0.2〜0.7μm×1.0〜10μm.

・発育速度や発色性によりRunyon Ⅰ〜Ⅳの4群に大別される.

Runyon Ⅰ:コロニーは暗所では灰白色ないしクリーム色であるが,増殖期の菌に光をあてて再び暗所に戻して培養すると,24時間以内にレモン黄色に発色する(光発色性).

Runyon Ⅱ:暗所培養でもコロニーが黄色〜オレンジ色に着色(暗発色性).

Runyon Ⅲ:コロニーは灰白色〜クリーム色で,光発色性を示さない.

Runyon Ⅳ:培養1週間以内(初回分離培養では発育に1週間以上かかることがある)にコロニーを認める(迅速発育).

・160種以上の非結核性抗酸菌が分類されている(2013年12月現在)1)

参考文献

1)LPSN bacterio.net:Genus Mycobacterium, List of prokaryotic names with standing in nomenclature(http://www.bacterio.net/mycobacterium.html)
2)An Official ATS/IDSA Statement:Diagnosis, Treatment, and Prevention of Nontuberculous Mycobacterial Diseases. Am J Respir Crit Care Med 2007;175:367-416.
3)Morimoto K, Iwai K, Uchimura K, et al:A steady increase in nontuberculous mycobacteriosis mortality and estimated prevalence in Japan. Ann Am Thorac Soc 11:1-8,2014
4)戸田宏文,山口逸弘,鹿住祐子,他:環境由来Mycobacterium lentiflavumに対するコバスTaqMan MAI偽陽性反応の検討.感染症学会雑誌 87:215-217,2013
5)青野昭夫,鹿住祐子,前田伸司,他:結核菌群用同定キットで陽性を示した非結核性抗酸菌について.結核 85:461-464,2010
6)久本晃子,小崎佐恵子,佐久川亮,他:肺Mycobacterium heckeshornense感染症が疑われた1例.日本呼吸器学会雑誌 46:1019-1023,2008
7)日本結核病学会抗酸菌検査法検討委員会:結核菌検査指針2007,結核予防会,2007
8)Clinical and Laboratory Standards Institute:M24-A2 Susceptibility testing of mycobacteria, nocardiae, and other aerobic actinomycetes; approved standard-2nd ed, CLSI, Wayne, PA, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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