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増刊号 微生物検査 イエローページ
Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法 真菌
文献概要
菌の基本情報
1.性状と特徴
・子囊菌門,タフリナ亜門に属する真菌であり,近縁種は分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)である.
・かつて本菌名であったPneumocystis cariniiは,現在ラットを宿主とする菌種名であり,ヒト病原菌であるP. jiroveciiとは別種である.本属菌種としては,少なくとも数種が知られているが,おのおの特定の宿主にしか感染しない(宿主種のバリア).したがって,ヒトにおけるP. carinii肺炎はあり得ない.
・検査室において実施できる本菌の培養法は確立されていない.また,ヒトに対する絶対寄生菌(常在菌)であり,環境中における発育は不能と考えられている.
・検鏡上,小型(1〜3μm)の栄養体(9割以上を占める)と,厚い細胞壁を有するやや大型(5〜8μm)のシストを認める(図1,2).
・シストには8個の胞子が含まれており,これが発芽して栄養体となる.また,栄養体は2分裂によっても増殖する.
・シスト細胞壁は(1→3)-β-D-グルカン〔(1→3)-β-D-glucan:BD〕を含有する.
1.性状と特徴
・子囊菌門,タフリナ亜門に属する真菌であり,近縁種は分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)である.
・かつて本菌名であったPneumocystis cariniiは,現在ラットを宿主とする菌種名であり,ヒト病原菌であるP. jiroveciiとは別種である.本属菌種としては,少なくとも数種が知られているが,おのおの特定の宿主にしか感染しない(宿主種のバリア).したがって,ヒトにおけるP. carinii肺炎はあり得ない.
・検査室において実施できる本菌の培養法は確立されていない.また,ヒトに対する絶対寄生菌(常在菌)であり,環境中における発育は不能と考えられている.
・検鏡上,小型(1〜3μm)の栄養体(9割以上を占める)と,厚い細胞壁を有するやや大型(5〜8μm)のシストを認める(図1,2).
・シストには8個の胞子が含まれており,これが発芽して栄養体となる.また,栄養体は2分裂によっても増殖する.
・シスト細胞壁は(1→3)-β-D-グルカン〔(1→3)-β-D-glucan:BD〕を含有する.
参考文献
1)国立感染症研究所:国立感染症研究所病原体等安全管理規程 別冊1「病原体等のBSL分類等」,2010
2)ニューモシスチス肺炎研究会:ニューモシスチス肺炎のすべて,克誠堂出版,2014
3)Uemura N, Makimura K, Onozaki M, et al:Development of a loop-mediated isothermal amplification method for diagnosing Pneumocystis pneumonia. J Med Microbiol 57(Pt 1):50-57,2008
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