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今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化
反応曲線を読みこなす
著者: 山本慶和1
所属機関: 1天理医療大学 臨床検査学科
ページ範囲:P.1511 - P.1520
文献購入ページに移動●日常検査では異常値が生じたときに反応曲線を確認している.さまざまな異常値症例の報告で,異常値の要因分けに反応曲線は利用されている.これは,反応曲線は個々の検体の測定過程そのものの状況を反映することがあるという考え方をベースとしている.
●ほとんどの検体は問題なく測定されており,その反応曲線は検査項目固有のパターンを示す.そのパターンから乖離すれば何らかの問題が生じたことを疑う.
●反応曲線をより理解するには,総論的な反応原理を理解することではなく,各試薬ボトルの成分にはそれぞれ役割があり,各反応ステップによってその役割の反応が進行していることを理解する必要がある.
●ほとんどの検体は問題なく測定されており,その反応曲線は検査項目固有のパターンを示す.そのパターンから乖離すれば何らかの問題が生じたことを疑う.
●反応曲線をより理解するには,総論的な反応原理を理解することではなく,各試薬ボトルの成分にはそれぞれ役割があり,各反応ステップによってその役割の反応が進行していることを理解する必要がある.
参考文献
1)日立自動分析研究会:日立自動分析研究会記念誌第30回を迎えて,日立自動分析研究会,2005
2)山本慶和:反応過程を用いた反応系に起因する異常の検出.日臨検自動化会誌 34:163-169,2009
3)青木義政,坂口理恵,櫻井博文,他:自動分析装置での反応過程異常を契機として見い出したAST結合性免疫グロブリンの1例.医学検査 48:1584-1588,1999
4)長谷川正行,嶋田昌司,猪田猛久,他:反応過程近似解析ツールMiRuDaを用いたLD異常反応の検出.日臨検自動化会誌 37:672,2012
5)山本慶和,猪田猛久,山中亨,他:異常反応検出による免疫比濁法CRP測定値の信頼性保証.日臨検自動化会誌 26:704-708,2001
6)渡邊弘子,近藤光,石川仁子,他:クレアチニン測定におけるM蛋白の影響.日臨検自動化会誌 27:670-674,2002
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