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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻12号

2014年11月発行

文献概要

短報

消化器用薬服用により簡易尿中覚せい剤分析キットで偽陽性を起こした症例と検証実験

著者: 寺本量子1 今村ちさ1 牧野由紀子12 平井愼二1

所属機関: 1国立病院機構下総精神医療センター 2東京大学大学院 薬学系研究科薬品代謝化学教室

ページ範囲:P.1547 - P.1549

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 救急医療の現場では,意識障害や幻覚妄想,精神運動興奮,急性中毒や離脱症状が疑われるような患者を中心に,診断や治療方針決定のために,尿中薬物分析キットを用いてスクリーニング検査が実施されている.

 今回消化器用薬を服用している患者で尿中薬物分析キット〔Fastect®-Ⅱ メタンフェタミン(MET)検出用カセット(VERITAS社)〕が偽陽性を示す症例を経験した.

 臨床現場にて尿中薬物分析キットの結果を判断する際は,併用薬に対する注意が必要と思われる.

参考文献

1)関東化学:Princeton BioMeditech Corporation社製簡易キット アキュサインDOAシリーズ説明文書
2)仲村佳彦,中野実,高橋栄治,他:救急外来におけるAccuSignの有用性.中毒研究 25:247-252,2012
3)福田篤久,久保田芽里,石田浩美,他:臨床現場における薬毒物検査の実際.Med Technol 41:1173-1179,2013
4)守屋文夫:新規薬物簡易スクリーニングデバイス「インスタントビューM-1」の性能.中毒研究 25:221-226,2012
5)ベリタス:Fastect®-Ⅱ(尿中薬物検出キット)添付文書
6)アボットジャパン:ガナトン®錠 添付文書
7)大塚製薬:ムコスタ®錠 添付文書

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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