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文献概要
次代に残したい用手法検査・9
糞便検査・潜血検査(化学法)
著者: 保科ひづる1 渡邉永治2
所属機関: 1諏訪中央病院 検査科 2立教大学 理学部化学科
ページ範囲:P.391 - P.394
文献購入ページに移動便潜血検査は,消化管からの出血を知るうえで重要な役割を担っている.便潜血検査には,ヒトヘモグロビン(hemoglobin;Hb)に対する特異的抗原抗体反応やヒトトランスフェリン抗原抗体反応を利用する免疫法,血液中の赤血球ヘモグロビンの作用を利用する化学法などがある.わが国では,2010年3月に化学法の市販キットが製造中止されてから,上部消化管出血の検査は,内視鏡検査に移行していると思われる.また,大腸がん検診のスクリーニング検査や下部消化管からの出血に対して,日本では特異度の高い免疫法が主体で行われている.諸外国の検診状況は,アジアでは免疫法に移行しつつも1日法が使用され,米国では主にまだ安価である化学法が行われている.測定については,それぞれ検査法の意義や特徴をつかみ使用することが大切である.
本稿は,感度や試薬の問題から参考になるか不明であるが化学法について記載する.
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