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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻3号

2014年03月発行

文献概要

次代に残したい用手法検査・9

糞便検査・潜血検査(化学法)

著者: 保科ひづる1 渡邉永治2

所属機関: 1諏訪中央病院 検査科 2立教大学 理学部化学科

ページ範囲:P.391 - P.394

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はじめに

 便潜血検査は,消化管からの出血を知るうえで重要な役割を担っている.便潜血検査には,ヒトヘモグロビン(hemoglobin;Hb)に対する特異的抗原抗体反応やヒトトランスフェリン抗原抗体反応を利用する免疫法,血液中の赤血球ヘモグロビンの作用を利用する化学法などがある.わが国では,2010年3月に化学法の市販キットが製造中止されてから,上部消化管出血の検査は,内視鏡検査に移行していると思われる.また,大腸がん検診のスクリーニング検査や下部消化管からの出血に対して,日本では特異度の高い免疫法が主体で行われている.諸外国の検診状況は,アジアでは免疫法に移行しつつも1日法が使用され,米国では主にまだ安価である化学法が行われている.測定については,それぞれ検査法の意義や特徴をつかみ使用することが大切である.

 本稿は,感度や試薬の問題から参考になるか不明であるが化学法について記載する.

参考文献

1)仙名清次郎,金井正光:健常者の糞便潜血反応(化学法と免疫法)に及ぼす各種要因の検討.衛生検査 39:67-72,1990
2)保科ひづる,今井真澄,山崎靖,他:グアヤック反応における偽陽性及び偽陰性の種々要因.医学検査 40:1561-1566,1991
3)星和夫,鈴木敏惠:臨床検査学講座 臨床検査総論 第1版第5刷,医歯薬出版,pp164-166,1975
4)三村邦裕,鈴木敏恵,宿谷賢一,他:臨床検査学講座 臨床検査総論 第3版,医歯薬出版,pp124-128,2010
5)仙名清次郎:糞便検査.臨床検査法提要 改訂第30版(金井泉著,金井正光編集),金原出版,pp179-191,1993
6)Syed AA, Silwadi MF, Khatoon BA:Detection and diagnosis of blood in feces and urine: an overview. Clin Chim Acta 318:1-17,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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