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文献概要
今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
造血器疾患の診断精度向上に向けた検査情報連携
著者: 宮地勇人1
所属機関: 1東海大学 医学部基盤診療学系臨床検査学
ページ範囲:P.427 - P.435
文献購入ページに移動●血液検査室では,血液形態検査の精度を確保したうえで,ほかの検査情報や患者情報を踏まえ,付加価値のあるサービスを提供し,良質な診療に貢献することが望まれる.具体的な活動として,造血器疾患などの総合診断がある.
●総合診断とその報告書作成は,病院情報システム(医師電子カルテや部門システム)の状況や既存のシステム(病理診断システムなど)利用の可能性を踏まえて,各施設の事情に合った体制を構築する.
●骨髄,体腔液,リンパ節など血液形態を対象とする総合診断の報告書を作成する場合は,形態検査所見に加え,免疫形質,生化学,血清学,画像検査などの所見を加味し,治療内容と臨床経過を踏まえて総合的に病態診断するとともに,遺伝子検査などの追加検査の推奨を行う.
●総合診断とその報告書作成は,病院情報システム(医師電子カルテや部門システム)の状況や既存のシステム(病理診断システムなど)利用の可能性を踏まえて,各施設の事情に合った体制を構築する.
●骨髄,体腔液,リンパ節など血液形態を対象とする総合診断の報告書を作成する場合は,形態検査所見に加え,免疫形質,生化学,血清学,画像検査などの所見を加味し,治療内容と臨床経過を踏まえて総合的に病態診断するとともに,遺伝子検査などの追加検査の推奨を行う.
参考文献
1)木崎昌弘,田丸淳一:急性骨髄性白血病および関連前駆細胞性腫瘍.WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学(押味和夫監修),中外医学社,pp105-151,2009
2)松下弘道,浅井さとみ,矢部みはる,他:検査の領域間連携と知識集約型サービス 検体検査編 造血器腫瘍の新WHO分類と血液総合診断.臨床病理 59:65-74,2011
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4)宮地勇人,浅井さとみ,松下弘道:骨髄像診断加算 臨床検査専門医の役割と実践付加価値のある骨髄像の文書報告と運用効果.Laboratory and Clinical Practice 31:22-29,2013
5)松下弘道,矢部みはる,田中由美子,他:JPLSG-AML中央形態診断の現状と課題.日本小児血液学会雑誌 23:303-309,2009
6)木下明俊,宮地勇人,滝智彦,他:小児急性骨髄性白血病における包括的中央診断.日本小児血液学会雑誌 23:298-302,2009
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8)宮地勇人,矢部みはる,浅井さとみ,他:血液学検査を臨床に活かす 血液総合診断システムの運用と展開.日本検査血液学会雑誌 14:S77,2013
9)宮地勇人:認定資格取得(認定血液検査技師・骨髄検査技師)に対する教育システム.日本検査血液学会雑誌 14:388-393,2013
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