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今月の特集2 話題の感染症2014
中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症
著者: 砂川富正1
所属機関: 1国立感染症研究所 感染症疫学センター
ページ範囲:P.479 - P.484
文献購入ページに移動●2012年9月以降出現した中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染者は,2014年1月現在,全て中東地域への渡航歴のあるもの,もしくはその接触者であった.
●臨床症状としては,軽微なものから急性呼吸促迫症候群(ARDS)などまで認められ,下痢や播種性血管内凝固症候群(DIC)の合併例もあった.潜伏期間の中央値は7.6日であった.
●医療機関における感染例が約3割程度を占めることから,平常時からの院内感染対策強化が必要である.
●国内では現時点で中東地域への渡航者が検査の対象となっている.重症急性呼吸器感染症(SARI)全般への注意が必要である.
●臨床症状としては,軽微なものから急性呼吸促迫症候群(ARDS)などまで認められ,下痢や播種性血管内凝固症候群(DIC)の合併例もあった.潜伏期間の中央値は7.6日であった.
●医療機関における感染例が約3割程度を占めることから,平常時からの院内感染対策強化が必要である.
●国内では現時点で中東地域への渡航者が検査の対象となっている.重症急性呼吸器感染症(SARI)全般への注意が必要である.
参考文献
1)砂川富正:香港におけるSARS調査の経験.医学界新聞 第2537号,医学書院,2003
2)Assiri A, McGeer A, Perl TM, et al:Hospital outbreak of Middle East respiratory syndrome coronavirus. N Engl J Med 369:407-416,2013
3)Penttinen PM, Kaasik-Aaslav K, Friaux A, et al:Taking stock of the first 133 MERS Coronavirus cases globally―Is the epidemic changing? Euro Surveill 18:20596,2013
4)Breban R, Riou J, Fontanet A:Interhuman transmissibility of Middle East respiratory syndrome coronavirus: estimation of pandemic risk. Lancet 382:694-699,2013
5)Memish ZA, Mishra N, Olival KJ, et al:Middle East respiratory syndrome coronavirus in bats, Saudi Arabia. Emerg Infect Dis 19:1819-1823,2013
6)Reusken CB, Haagmans BL, Müller MA, et al:Middle East respiratory syndrome coronavirus neutralising serum antibodies in dromedary camels: a comparative serological study. Lancet Infect Dis 13:859-866,2013
7)厚生労働省:新種のコロナウイルスによる感染症の発生について(症例定義の変更),2012(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20120930-01.pdf)
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