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今月の特集2 話題の感染症2014
マクロライド耐性肺炎マイコプラズマ感染症
著者: 成田光生1
所属機関: 1札幌徳洲会病院 小児科
ページ範囲:P.492 - P.498
文献購入ページに移動●マイコプラズマの薬剤耐性菌は全てリボソームに変異をもっており,感受性菌に比べて増殖力は劣っている.
●リボソームのオペロンを1組しかもたないマイコプラズマにおいては,遺伝子変異の種類(genotype)と実際の薬剤感受性(phenotype)がよく一致している.
●耐性菌対策の観点からも,マイコプラズマ感染症自体を正確に診断することが重要である.
●新しく導入された抗原検出キットについては,感度が今後の課題である.
●リボソームのオペロンを1組しかもたないマイコプラズマにおいては,遺伝子変異の種類(genotype)と実際の薬剤感受性(phenotype)がよく一致している.
●耐性菌対策の観点からも,マイコプラズマ感染症自体を正確に診断することが重要である.
●新しく導入された抗原検出キットについては,感度が今後の課題である.
参考文献
1)成田光生:多剤耐性菌の検査と臨床 マクロライド耐性マイコプラズマ.臨床検査 56:868-872,2012
2)日本小児科学会予防接種・感染対策委員会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン作成委員会:小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方,2013(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/saisin_130219_2.pdf)
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6)成田光生:多剤耐性菌の検出とその意義 マクロライド耐性マイコプラズマ.臨床検査 54:524-528,2010
7)成田光生:主として市中感染で問題となる耐性菌 肺炎マイコプラズマ(基礎編).臨床検査 50:923-926,2006
8)成田光生:主として市中感染で問題となる耐性菌 肺炎マイコプラズマ(臨床編).臨床検査 50:927-931,2006
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12)成田光生:薬剤耐性菌はどこから来て,どこへ行くのか マイコプラズマ感染症における各種抗菌剤ブレイクポイントの設定 マイコプラズマにおけるブレイクポイントの考え方.日本マイコプラズマ学会雑誌 35:59-60,2008
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