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今月の特集2 話題の感染症2014
多剤耐性グラム陰性桿菌感染症
著者: 松本哲哉1
所属機関: 1東京医科大学 微生物学講座
ページ範囲:P.499 - P.504
文献購入ページに移動●多剤耐性グラム陰性桿菌は,国内ではESBL産生菌などの腸内細菌科の菌や,多剤耐性緑膿菌(MDRP)や多剤耐性アシネトバクター(MDRA)などのブドウ糖非発酵菌が重要である.
●多剤耐性グラム陰性桿菌は近年,国内外で増加傾向にあり,特にアジア地域など海外で顕著に増加している.
●海外ではさらにカルバペネム分解酵素(NDM-1やKPC)産生菌など高度な多剤耐性菌が広がっており,深刻な状況となっている.
●多剤耐性グラム陰性桿菌に有効な抗菌薬は限定されており,さらに国内では承認されていない抗菌薬もある.
●多剤耐性グラム陰性桿菌は近年,国内外で増加傾向にあり,特にアジア地域など海外で顕著に増加している.
●海外ではさらにカルバペネム分解酵素(NDM-1やKPC)産生菌など高度な多剤耐性菌が広がっており,深刻な状況となっている.
●多剤耐性グラム陰性桿菌に有効な抗菌薬は限定されており,さらに国内では承認されていない抗菌薬もある.
参考文献
1)松本哲哉:医学と医療の最前線 多剤耐性菌の細菌学と臨床対応 多剤耐性緑膿菌,多剤耐性アシネトバクター,NDM-1産生菌を中心に.日本内科学会雑誌 100:3072-3078,2011
2)厚生労働省:院内感染対策サーベイランス公開情報 検査部門2011年報(1月~12月),2012(http://www.nih-janis.jp/report/open_report/2011/3/1/ken_Open_Report_201100.pdf)
3)厚生労働省:院内感染対策サーベイランス 薬剤耐性菌判定基準(ver2.0),2010(http://www.nih-janis.jp/section/standard/drugresistancestandard_ver2.0_20101203.pdf)
4)石井良和:基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌.モダンメディア 53:98-104,2007
5)Ambler RP:The structure of beta-lactamases. Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci 289:321-331,1980
6)荒川宜親:メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)産生グラム陰性桿菌.小児科診療 74:1315-1321,2011
7)松本哲哉:KPC産生菌.BIO Clinica 27:240-244,2012
8)Souli M, Galani I, Antoniadou A, et al:An outbreak of infection due to beta-Lactamase Klebsiella pneumoniae Carbapenemase 2-producing K. pneumoniae in a Greek University Hospital: molecular characterization, epidemiology, and outcomes. Clin Infect Dis 50:364-373,2010
9)Bogdanovich T, Adams-Haduch JM, Tian GB, et al:Colistin-resistant, Klebsiella pneumoniae carbapenemase (KPC)-producing Klebsiella pneumoniae belonging to the international epidemic clone ST258. Clin Infect Dis 53:373-376,2011
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