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樋野興夫の偉大なるお節介・4
いのちの言葉~「人生のリセットの形成的刺激」~
著者: 樋野興夫1
所属機関: 1順天堂大学医学部 病理・腫瘍学
ページ範囲:P.526 - P.527
文献購入ページに移動 最近の大きなニュースは,なんといっても「刺激だけで新万能細胞~STAP(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)」(朝日新聞1月30日付)であろう.「マウスの体の細胞を,弱酸性の液体で刺激するだけで,どんな細胞にもなれる万能細胞に変化する」とのことである.今後,追試を含めて,検証されることであろう.もし,本当なら,外部からの「形成的刺激」によって,細胞は,簡単に「初期化・リセット」されることになる.「がん細胞の良性化」・「がん細胞のリハビリテーション」の現実性の実証ともなろう.「がん哲学=がん細胞で起こることは,人間社会でも起こる」から生まれた,「がん哲学外来=言葉の処方箋」は,まさに「人生のリセットの形成的刺激」でもある.
2014年2月8日は,東京は記録的な大雪であった.種々のものが,キャンセルとなり,外出することもなく,自宅で思いのほか,静かな勉学の時が与えられた.25年前の自分の文章に触れた.驚くべきことに基軸は,なんの進歩もなく,ただただ,文章の語彙に肉付けが付いた程度である.「人間存在」の何たるかを,静思する時となった.
2014年2月8日は,東京は記録的な大雪であった.種々のものが,キャンセルとなり,外出することもなく,自宅で思いのほか,静かな勉学の時が与えられた.25年前の自分の文章に触れた.驚くべきことに基軸は,なんの進歩もなく,ただただ,文章の語彙に肉付けが付いた程度である.「人間存在」の何たるかを,静思する時となった.
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