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今月の特集1 最新の輸血検査
ABO血液型における遺伝子型検査
著者: 福森泰雄1
所属機関: 1日本赤十字社近畿ブロック血液センター 検査三課
ページ範囲:P.542 - P.548
文献購入ページに移動●ABO血液型遺伝子は,N-アセチルグルコサミン(A型抗原)やガラクトース(B型抗原)をH型抗原に転移する糖転移酵素をコードし,O型遺伝子はA,Bいずれの抗原も転移不能な遺伝子である.
●基本的なA型遺伝子,B型遺伝子の違いは7カ所の塩基の違い(アミノ酸で4カ所の違い,R176G,G235S,L266M,G268A)である.また,基本的なO型遺伝子はA型遺伝子の261番目の塩基Gの欠失により起こる.
●ABO血液型の変異型(亜型)の多くは,AあるいはB型遺伝子上の一塩基多型(SNP)や欠失,挿入,組み換えによる構造遺伝子上の変異が,糖転移酵素活性に影響を与えることで起こる.
●ABO血液型遺伝子上の変異は,PCRを基本としたさまざまな遺伝子タイピング法により検出可能である.特に本特集のテーマであるLuminex®法は多くの遺伝子多型を有する遺伝子を一度に一反応系でタイピングできる有効な方法である.
●基本的なA型遺伝子,B型遺伝子の違いは7カ所の塩基の違い(アミノ酸で4カ所の違い,R176G,G235S,L266M,G268A)である.また,基本的なO型遺伝子はA型遺伝子の261番目の塩基Gの欠失により起こる.
●ABO血液型の変異型(亜型)の多くは,AあるいはB型遺伝子上の一塩基多型(SNP)や欠失,挿入,組み換えによる構造遺伝子上の変異が,糖転移酵素活性に影響を与えることで起こる.
●ABO血液型遺伝子上の変異は,PCRを基本としたさまざまな遺伝子タイピング法により検出可能である.特に本特集のテーマであるLuminex®法は多くの遺伝子多型を有する遺伝子を一度に一反応系でタイピングできる有効な方法である.
参考文献
1)福森泰雄,西向弘明:ABO血液型遺伝子解析 日本人および韓国人の集団試料の比較.検査と技術 41:308-311,2013
2)Yamamoto F, Clausen H, White T, et al:Molecular genetic basis of the histo-blood group ABO system. Nature 345:229-233,1990
3)Fukumori Y, Ohnoki S, Shibata H, et al:Suballeles of the ABO blood group system in a Japanese population. Hum Hered 46:85-91,1996
4)Nishimukai H, Fukumori Y, Okiura T, et al:Genotyping of the ABO blood group system: analysis of nucleotide position 802 by PCR-RFLP and the distribution of ABO genotypes in a German population. Int J Legal Med 109:90-93,1996
5)Fukumori Y, Ishii H, Ito S, et al:DNA typing of the ABO blood group gene by a PCR-SSOP-LUMINEX method. Vox Sang 99(Supple 1):357,2010
6)Sano R, Nakajima T, Takahashi K, et al:Expression of ABO blood-group genes is dependent upon an erythroid cell-specific regulatory element that is deleted in persons with the B (m) phenotype. Blood 119:5301-5310,2012
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