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増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔血液学検査〕
フィブリノゲン
著者: 田中秀磨1
所属機関: 1大阪医科大学附属病院中央検査部
ページ範囲:P.1113 - P.1115
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フィブリノゲンは凝固反応の最終段階で生じるフィブリン繊維の原材料であり,また,血小板の凝集にも関与している.炎症時には急性期反応蛋白として増加するが,むしろ低下のほうが重要である.その低下(約60mg/dL未満)は止血異常につながり,プロトロンビン時間(prothrombin time:PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)も延長する1).すなわち,フィブリノゲンの低下はPTやAPTTの延長の原因となるので,フィブリノゲンは重要なスクリーニング検査といえる.
ほとんどの施設で利用されているフィブリノゲンの測定原理はトロンビン時間法と呼ばれ,希釈された血漿検体に一定量のトロンビン試薬を加え,凝固時間を測定する.その凝固時間の対数値とフィブリノゲン濃度の対数値が逆相関することを利用して検量線から濃度を求める.ほかに,PT測定時の光学的な吸光度(信号強度)変化がフィブリノゲン濃度に依存することを利用してPT測定と同時に算出する方法もある.
フィブリノゲンは凝固反応の最終段階で生じるフィブリン繊維の原材料であり,また,血小板の凝集にも関与している.炎症時には急性期反応蛋白として増加するが,むしろ低下のほうが重要である.その低下(約60mg/dL未満)は止血異常につながり,プロトロンビン時間(prothrombin time:PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)も延長する1).すなわち,フィブリノゲンの低下はPTやAPTTの延長の原因となるので,フィブリノゲンは重要なスクリーニング検査といえる.
ほとんどの施設で利用されているフィブリノゲンの測定原理はトロンビン時間法と呼ばれ,希釈された血漿検体に一定量のトロンビン試薬を加え,凝固時間を測定する.その凝固時間の対数値とフィブリノゲン濃度の対数値が逆相関することを利用して検量線から濃度を求める.ほかに,PT測定時の光学的な吸光度(信号強度)変化がフィブリノゲン濃度に依存することを利用してPT測定と同時に算出する方法もある.
参考文献
1)窓岩清治:フィブリノゲン.臨床に直結する血栓止血学(朝倉英策編著),中外医学社,pp46-47,2014
2)日本麻酔科学会,日本輸血・細胞治療学会:危機的出血への対応ガイドライン 改訂版,2007(http://www.anesth.or.jp/guide/pdf/kikitekiGL2.pdf)
3)日裏久英,佐守友博:血液凝固・線溶系検査 フィブリノゲン(凝固第Ⅰ因子).日臨 68(増刊1広範囲血液・尿化学検査 免疫学的検査):653-656,2010
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