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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻11号

2015年10月発行

文献概要

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔血液学検査〕

FDP,D-ダイマー

著者: 徳永尚樹1

所属機関: 1徳島大学病院診療支援部臨床検査技術部門

ページ範囲:P.1116 - P.1120

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緊急性

 フィブリン・フィブリノゲン分解産物(fibrin/fibrinogen degradation product:FDP)および,その一部である活性化ⅩⅢ因子によって架橋化された2つのD分画をもつフィブリン分解産物(D-dimer:DD)は,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)や深部静脈血栓症などの血栓症の診断,およびその重症度判定や,血栓溶解療法の治療効果判定に用いられる1).これらの増加は,線溶亢進による止血困難や血栓による臓器不全,その両方を併せもつDICなど,さまざまな病態を反映するため,的確な凝固線溶状態の評価と早急な対応が必要である.

参考文献

1)朝倉英策,高橋芳右,内山俊正,他:日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案.日血栓止血会誌 25:629-646,2014
2)徳永尚樹,三好雅士,吉田裕子,他:FDP,DDの異常高値に遭遇した時〜検査室から発信するアドバイスサービス〜.日検血会誌 15:434-442,2014
3)Madoiwa S, Kitajima I, Ohmori T, et al:Distinct reactivity of the commercially available monoclonal antibodies of D-dimer and plasma FDP testing to the molecular variants of fibrin degradation products. Thromb Res 132:457-464,2013
4)三好雅士,松田定信,井上千尋,他:Dダイマー・FDPの逆転現象に対しDTTが有用であった1症例.医学検査 63:86-89,2014
5)小宮山豊:患者の病態と一致しないFDP,あるいはD-dimerの異常高値は,どうして起こるのですか? 臨検 57:1252-1253,2013
6)川合陽子:血液検査実践マニュアル 凝固・線溶検査 ルーチン検査 データの読みかたと検査診断の進めかた.検と技 28:855-859,2000
7)林朋恵,朝倉英策:血栓止血の臨床─研修医のために DICの病態と診断.日血栓止血会誌 19:344-347,2008
8)野木岐実子,島津千里,宮澤幸久:凝固・線溶検査.Med Technol 37:1513-1523,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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