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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻11号

2015年10月発行

文献概要

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔一般検査〕

穿刺液(髄液以外)

著者: 早津かおり1

所属機関: 1自治医科大学附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.1134 - P.1140

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緊急性

 胸腔,腹腔,心膜腔には正常な状態で漿液性の液体が10〜15mL程度認められる.これらの液体は,毛細血管の静水圧の上昇,膠質浸透圧の低下,血管透過性亢進,リンパ系による漿液の吸収低下などによって生成と吸収のバランスが崩れることで貯留し,穿刺の対象となる.この貯留した液体を胸水,腹水,心囊液(水)という.原因としてはさまざまな疾患が考えられるが,緊急検査にかかわる病態としては感染症,炎症,外傷,悪性腫瘍,循環障害などが挙げられる.特に感染症の場合は緊急な処置が必要となる場合があるので,検査の意義は高い.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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