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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻11号

2015年10月発行

文献概要

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔生化学検査〕

電解質—Ca,iP,Mg

著者: 川崎健治1

所属機関: 1信州大学医学部附属病院臨床検査部検体検査部門

ページ範囲:P.1160 - P.1170

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緊急性

 カルシウム(calcium:Ca),無機リン(inorganic phosphorus:iP),マグネシウム(magnesium:Mg)の濃度異常は,意識障害,呼吸障害,心不全などの致死的症状や合併症を示すことがあるため1〜3),異常値が出現した際は電子カルテで状況を確認し,依頼医へ速やかに報告すべきである.これらの測定値は高くても低くても異常値として報告する必要がある.

 Caは血液ガス装置で全血中のCaイオン濃度を測定することがあり,Mgも全血中のMgイオン濃度を測定する機器が存在する.これらの装置は救急部に設置されていることがあるため,すでに依頼医がこれらの異常を把握している場合や,血清Ca値の報告よりも前に血液ガスの結果異常を依頼医に報告する場合がある.

参考文献

1)荒川泰行,荒川泰雄:Mg(マグネシウム).日臨 68:272-278,2010
2)和田誠基:カルシウム,無機リン.日臨 68:279-283,2010
3)Swaminathan R:Magnesium metabolism and MS disorders. Clin Biochem Rev 24:47-66,2003
4)Payne RB, Little AJ, Williams RB, et al:Interpretation of serum calcium in patients with abnormal serum proteins. Br Med J 4:643-646,1973
5)川崎健治:補正Ca値とは何ですか? 総Ca値との違いを教えてください.臨検 57:1270-1271,2013
6)Navarro-González JF, Mora-Fernández C, Carcía-Pérez J:Clinical implications of disordered magnesium homeostasis in chronic renal failure and dialysis. Semin Dial 22:37-44,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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