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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻11号

2015年10月発行

文献概要

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔生化学検査〕

血糖

著者: 山崎家春12

所属機関: 1公立学校共済組合関東中央病院臨床検査部 2東京医科大学分子病理学分野

ページ範囲:P.1213 - P.1217

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緊急性

 血糖は意識障害やショックなど重篤な症状がみられるとき,検査する重要な項目である.生体内ではエネルギー源として重要な要素であり,基準値は75〜109mg/dL程度に調節されている.パニック値は施設によって異なり,臨床医師と協議のうえ定める必要があるが,一例を挙げると,外来患者は60mg/dL以下,350mg/dL以上,入院患者では60mg/dL以下,500mg/dL以上としている.

 緊急時に異常低値や異常高値を放置しておくと生命に危険があるため,採血時の瞬間値を迅速に把握することが正しい初期診断・治療のために必要である.測定値がパニック値の場合は再検の必要性はあるが,再検をする前に,まず検査依頼医師に所定の方法で中間報告を行うことを優先する.さらに,これから再検する旨を伝えることも重要である.

参考文献

1)高久史麿(監),黒川清,春日雅人,北村聖(編):臨床検査データブック2013-2014,医学書院,2013
2)山崎家春:様々な医療現場における臨床検査と医療安全管理Self-monitoring of blood glucose(SMBG)の問題点と正しい採血方法 血糖自己穿刺採血時の手技と部位が測定値に与える影響.臨病理 59:281-287,2011
3)山崎家春:POCTにおける検査前段階のクオリティマネージメント.臨病理 63:210-217,2015
4)日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会(編):臨床検査のガイドライン JSLM2012 検査値アプローチ/症候/疾患,日本臨床検査医学会,2012
1)金井正光(監),奥村伸生,戸塚実,矢冨裕(編):臨床検査法提要 改訂第33版,金原出版,2010
2)矢冨裕,横田浩充(監),前川真人(編):標準臨床検査学 臨床化学,医学書院,2012
3)市原清志,河口勝憲(編著):エビデンスに基づく検査診断実践マニュアル,日本教育研究センター,2011
4)〆谷直人(監),日本臨床検査自動化学会POC技術委員会(編):POCTが変える医療と臨床検査,じほう,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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