icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻11号

2015年10月発行

文献概要

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔生化学検査〕

急性冠症候群における心筋マーカー(CK-MB以外)

著者: 藤田孝1

所属機関: 1藤田保健衛生大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.1222 - P.1224

文献購入ページに移動
緊急性

 クレアチンキナーゼ(creatine kinase:CK)-MB以外で心筋マーカーとして多く利用されている項目は,トロポニン,心臓由来脂肪酸結合蛋白(heart-type fatty acid-binding protein:H-FABP),ミオグロビンである1).いずれの項目も急性心筋梗塞の診断で重要な役割を果たしている.特に心筋トロポニンは心筋に高い特異性を示すことから,急性冠症候群の微小心筋傷害や心不全患者の潜在性心筋傷害を検出することが可能である.

 近年,トロポニンの高感度測定が可能となり,発症早期の検出能力が上がっている2).H-FABPとミオグロビンは急性心筋梗塞の発症早期から上昇を認めるため,早期診断に有用である.

参考文献

1)河合忠,橋本信也:ミオグロビン(血清・尿).臨床検査のABC,医学書院,pp151-152,1994
2)宮島栄治:心筋トロポニンの測定精度と臨床的意義.日臨検自動化会誌 34:823-832,2009
3)日本循環器学会,日本冠疾患学会,日本救急医学会,他:ST上昇型急性心筋梗塞の診断に関するガイドライン(2013年改訂版).循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2012年度合同研究班報告),2012(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2013_kimura_h.pdf)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?