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増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔微生物検査〕 培養の際の注意点(検体の採取と材料の質の評価・培養の仕方・判定の仕方)
便培養
著者: 堀光広1
所属機関: 1岡崎市民病院医療技術局
ページ範囲:P.1289 - P.1292
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糞便の培養検査は,腸管感染症の原因微生物検索を目的として行われる.外来患者では食中毒起因菌を原因とした下痢症やウイルス性下痢症が多く,時に赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫やクリプトスポリジウムなどの原虫類を起因とした下痢症もある.入院患者ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)やClostridium difficileによる下痢症が考えられる.このように検査の対象となる微生物の範囲は広い1)〔表1〕.目的とする微生物によって検体保存法や培養法が変わるので,検査依頼時において検査目的を入手することが必要である.
糞便の培養検査は,腸管感染症の原因微生物検索を目的として行われる.外来患者では食中毒起因菌を原因とした下痢症やウイルス性下痢症が多く,時に赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫やクリプトスポリジウムなどの原虫類を起因とした下痢症もある.入院患者ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)やClostridium difficileによる下痢症が考えられる.このように検査の対象となる微生物の範囲は広い1)〔表1〕.目的とする微生物によって検体保存法や培養法が変わるので,検査依頼時において検査目的を入手することが必要である.
参考文献
1)小栗豊子,三澤成毅,西山宏幸:検査材料別検査法と検出菌.臨床微生物検査ハンドブック 第4版(小栗豊子編),三輪書店,pp55-66,2011
2)犬塚和久:糞便検査.微生物検査ナビ(堀井俊伸監修,犬塚和久編),栄研化学,pp63-104,2013
3)臨床微生物学会マニュアル委員会:腸管感染症検査ガイドライン,臨床微生物学会,pp1-5,2010
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