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増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔微生物検査〕 TOPICS
当直時における遺伝子検査法を用いた結核の迅速診断
著者: 赤松紀彦1 栁原克紀12
所属機関: 1長崎大学病院検査部 2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学分野(臨床検査医学)
ページ範囲:P.1293 - P.1295
文献購入ページに移動当直時において,感染管理上,緊急性が求められる代表的な疾患として結核が挙げられる.これまで結核の迅速診断には塗抹検査が主に用いられてきた.しかし,塗抹検査は迅速・簡便であるが,判定には熟練を要するため,経験の浅い,しかも普段,細菌検査を行っていない技師が実施することは難しい.また,塗抹検査で抗酸菌の判別は可能であるが,鏡検所見から形態学的に結核菌の判定はできない.さらには,緊急時によく用いられる直接塗抹法は,遠心による集菌を行っていないため,検出感度の低下が否めない.したがって,後日,集菌塗抹法1)で再度確認する必要がある.以上の要因から,結核は当直時においても検査が求められているにもかかわらず,実施し難い状況であった.
一方,核酸増幅検査は核酸抽出などの前処理を含めて,結果判明に少なくとも3時間以上を要し,操作手順も複雑で技術を必要とするため,これまで当直時などの緊急時に求められることはほとんどなかった.ところが,近年の核酸増幅技術の進歩とともに,最近では次世代型の全自動核酸増幅検査機器が開発され,世界的に普及しつつある.これらの核酸増幅検査法は感度および特異度に優れており,しかも迅速・簡便なことから,その有用性が期待されている.
本稿では,当直時において実際に使用することが可能な結核の迅速遺伝子検査法について紹介する.
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