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増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ Ⅲ章 報告前に必要なチェック 〔超音波検査〕
頸動脈超音波
著者: 早川幹人1
所属機関: 1国立循環器病研究センター脳血管内科
ページ範囲:P.1330 - P.1335
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脳梗塞・一過性脳虚血発作では,頭部CT/MRIによって脳実質病変が,頭・頸部MR血管造影(MR angiography:MRA)やCT血管造影(CT angiography:CTA)によって血管病変が検索される.その結果に基づいて,超急性期で適応を有せば再灌流療法〔アルテプラーゼ静注療法(4.5時間以内)や血管内治療(おおよそ8時間以内)〕が施行され,また,病型に則した急性期治療が行われる.
頸動脈狭窄症で,狭窄率やプラーク脆弱性が高度で再発リスクが高い場合は,緊急頸動脈血行再建療法(頸動脈内膜剥離術・ステント留置術)を行うこともある.MRI/MRAやCTAが遅滞なく撮像できるのであれば緊急頸動脈超音波検査の意義は乏しく感じられるかもしれないが,頸部血管病変を非侵襲的にリアルタイムで評価でき,超急性期再灌流療法や急性期の血行再建療法の適応決定に直結する情報が取得できるため,欠くことのできない検査である1).
脳梗塞・一過性脳虚血発作では,頭部CT/MRIによって脳実質病変が,頭・頸部MR血管造影(MR angiography:MRA)やCT血管造影(CT angiography:CTA)によって血管病変が検索される.その結果に基づいて,超急性期で適応を有せば再灌流療法〔アルテプラーゼ静注療法(4.5時間以内)や血管内治療(おおよそ8時間以内)〕が施行され,また,病型に則した急性期治療が行われる.
頸動脈狭窄症で,狭窄率やプラーク脆弱性が高度で再発リスクが高い場合は,緊急頸動脈血行再建療法(頸動脈内膜剥離術・ステント留置術)を行うこともある.MRI/MRAやCTAが遅滞なく撮像できるのであれば緊急頸動脈超音波検査の意義は乏しく感じられるかもしれないが,頸部血管病変を非侵襲的にリアルタイムで評価でき,超急性期再灌流療法や急性期の血行再建療法の適応決定に直結する情報が取得できるため,欠くことのできない検査である1).
参考文献
1)早川幹人:Door to Puncture≦90分を達成することを意識していますか?何を事前に検討すべきかわかっていますか?.脳血管内治療の進歩2015(坂井信幸,江面正幸,松丸祐司,他編),診断と治療社,pp118-124,2014
2)日本脳神経超音波学会・栓子検出と治療学会合同ガイドライン作成委員会:頸部血管超音波検査ガイドライン 頭蓋内超音波検査ガイドライン 塞栓源検索(心臓と下肢静脈)ガイドライン.Neurosonology 19:49-69,2006
3)堤由紀子,榛沢和彦,藤代健太郎:基礎.頸動脈エコー 測定法とその意義(古幡博編),ベクトル・コア,pp1-44,2004
4)峰松一夫,中川原譲二,森悦朗,他:rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針(第二版).脳卒中 34:443-480,2012
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